ミニマルファブの2024年版コンテストが変更されました

下記のような形となります。
簡単にまとめると「相当のガチ回路を作らないと箸にも棒にもかからない」という感じのようです。
ですので、腕に覚えのある方は、ぜひ、挑戦してみてもらえればと思います!

  • ウェハー試作に採用する作品数は、第1部と第2部の合計で、11個(元々は、25個だった)
  • 論文レベルの厳しい評価軸に変更された(今までは実質的になかった)

評価軸内容

第1部の審査は、以下を考慮し総合点で評価します:
1.コンセプト・アイデアの面白さ(考え方のベースや方向性)
2.回路設計の完成度(回路図を作成しているか?)
3.回路検証の実施(SPICEシミュレーションにより動作確認しているか?)
4.レイアウト設計(アレイ素子を有効利用できるよう配線しているか?)
5.レイアウト検証(DRCとLVSを実施しているか?)
6.回路の新規性(ミニマルファブとしてみた場合、新規性のある回路か?)
7.PDKの利用レベル(SPICE、DRC、LVS、PCELLすべてのPDKを使っているか?)
8.設計レポートの完成度(設計結果の報告内容は十分であるか?)
9.動作する可能性(実際にウエハ試作して動作する可能性は?)
10.使用素子数(トランジスタ、抵抗、容量の使用素子数)

第2部:下地からの設計
第1部の評価基準に加え、以下を評価します。
1.回路の斬新さ(ミニマルファブの立場から、回路の新規性)
2.評価の容易性(5ピンで評価できるか)
3.IPとしての可能性(ミニマルファブのIPとしての有用性) 

次に、ウェーハ製造に採用するかの判断は、以下も考慮します:
1.5ピンのオンウェーハ測定で、意味のある評価ができるか。
2.評価のためのプログラムが用意されているか(特にAnalog Discovery 2を使った測定)。
3.実測データがあれば、オープンハードウェアとして価値があがるか。

ミニマルファブの2024年版コンテスト

ミニマルファブの2024年版コンテストが開始されました!

ミニマルファブコンテストポスター

第一部募集要項

第1部は、昨年と同じ素子アレイをメタル配線して回路を構成するものです。

詳細条件

0.5インチのウェーハに、1.6mm角の素子アレーが用意されており、それらをML1のみで配線することで目的に機能を作るというものです。
用意されている素子は、下記の通りとなります。

  • NMOS: 16個 (W/L=10um/10um)
  • PMOS: 16個 (W/L=40um/10um)
  • n拡散抵抗:16本 540 Ω
  • p拡散抵抗:16本 3.6 KΩ
  • キャパシタ: 16個 0.41 pF

    ミニマルファブコンテストフレーム

選定条件

1ウェハを25区画に分ける関係で、エントリーが25区画を超える場合、審査基準にしたがって事前審査し、ミニマルファブの立場から評価の高いものが採用となります。

ミニマルファブコンテストウェハー

第二部募集要項

第2部は、素子アレイのチップと同じ面積(1.6mm角)を自由に使っていただくものです。

共通要項

  • 製造数は第一部15枚程度、第二部10枚程度(状況により変動あり)
  • 設計データは公開する必要がある。

申込み方法

下記のファイル一式をミニマルファブのDiscord「Contest 2024」チャンネルに提出するか、githubで公開してURLを「Contest 2024」チャンネルへ連絡することで申し込みとなります。

  • 出来上がったGDS
  • シミュレーションに使った回路データ

Contest 2024チャンネルへの招待リンク

締め切り

エントリ締め切りは、第1部、第2部ともに、2025年1月6日の23:59です。

環境構築

公式からはPDKのインストール方のみがアナウンスされています。
そこで、ISHI会でWSL/Ubuntu22.04/Mac Appleシリコンシリーズに対応したEDA(開発環境)まで対応した開発環境構築用のスクリプトを作りました。
必要な方はご活用ください。
各環境にて下記のコマンドで環境構築が可能です。

git clone https://github.com/ishi-kai/OpenRule1umPDK_setupEDA
cd OpenRule1umPDK_setupEDA
./eda-setup.sh
./pdk_MF20-setup.sh